12May
好みの問題と言えばそれまでですが、ジャズを演奏する人の中でも、ドゥーバ(ウビ・ウバ)族と、そうでない人達に別れるかもしれないと思います。
大ざっぱな分け方ですが、ドゥーバと表現するのが本当に好きな人とあまり好きでない人でしょうか・・・
バップ基調の人は、演奏にドゥーバが感じられ、何気に4分音符を弾いても、音符から表拍と裏拍の違いが感じられるものです。
バップやハードバップ全盛の頃は、ジャズと言えばドゥーバと表現するのが当たり前だったんでしょが、コンテンポラリーやフュージョンの進出、またロックからジャズにやって来る世代が多くなり、表現の選択肢が広くなりドゥーバと表現するのが古臭く思えてしまうのかも知れませんね。
ただ、8分音符の表も裏も同じ表現なら、演奏技術的には簡単な訳です。
ドゥーバと表現する表拍と裏拍は、本来は天と地ほど違う感覚で、スウィングするジャズの4分音符には沢山の情報が含まれてるんですよ。
その楽しさに気づけず、自分の演奏に取り込もうともせず、ドゥーバの楽しみを味わえない(味わおうとしない)のは、すごくもったいないことかも知れません。スタイルの選択肢は本人にありますから余計なお世話かも知れませんが。
(そう言う私もジャズの表拍と裏拍の違いは最初よく分かって無かったんです。キャリアを重ねてジャズの8分音符の楽しさや奥深さがわかり表現出来てくるのかも知れません)
先日も、Sonny Clarkの「Softly as in a Morning Sunrise」を改めて聴きましたが、トリオと言うたった3人の演奏の中でも3人の縦のラインが揃っていて、1小節の中でもミュージシャン同士の連携性が高く、Sonny Clarkのピアノプレイにしても、テーマからアドリブまで飽きさせることなく聴かせる、音符の躍動感、どれをとっても本当に素晴らしいと感じました。
一瞬一瞬の密度が高く、アドリブなどの個人表現を初めとして、演奏の色々な部分を楽しめる総合的な価値の高さ、他のスタイルと比較しても、またジャズの中でも、バップはやはり素晴らしい音楽だと思います。
ウイントンケリーのピアノプレイにしても、ハネる音符、スウィングする感覚はHappyになりますしね♪
ドゥーバ族、私は大好きです。
それから、バップの話になったのでこの機会に書いておきますが、バップ時代の音楽から学べるものは本当に沢山あります。
よくバップはフレージングにパターンがあるので誰がやっても同じような表現になると言われます。
確かにフレーズ的には同じような表現になるかも知れません。でも、フレーズは言葉と同じようなものです。演奏が会話のようなものだとすると、ボキャブラリーが全く無ければ会話すら成り立たない訳ですから、最初はフレーズというボキャブラリーはある程度必要と思います。
赤ちゃんが親の発する言葉を真似して会話が出来るのと同じですね。
言葉を真似して成長しても全く同じ人同じ人間が存在しないように、フレージングを真似ただけは全く同じミュージシャンは誕生しません。
その人特有のものや雰囲気、他に学んできた音楽的背景なども必ず加味されて人に伝わるものです。
むしろ、ジャズのテイストを出したいのにそれが出せないのは、ジャズの基本的な部分を学んでいなかったり深く研究していないことに原因があります。
ジャズ初心者の方は、コンテンポラリーから入るのでは無く、まずはバップを学ぶことを強くおすすめします(コンテンポラリーなプレイが好きなプレイヤーに学んでもバップの表現は身に付きません)。
そして音楽(過去の作品を)を楽しんで聴いて下さい。
バップからまず言葉(フレーズ)を色々学んで下さい。
バップやジャズの基礎的な概念(本質)を良くつかんでいる人にアドバイスを受けるのも近道になります。
他にもバップから学べる具体的なことは、フレーズのイントネーションやニュアンス、どんな風にアクセントつけるとジャズらしい表現になるか、ジャズの1拍のとらえ方やノリの感じ、8分音符のハネ方も色々あります、また間の取り方も重要です。
フレージングの止め音(止め方)の重要性、音色についての考え方も色々と学べると思います。
リズム的には、ラテン音楽も学べるところが一杯ありますが、バップから学べることも盛り沢山ですし、それが見落とされているとしたら本当に残念なことです。
ぜひバップを学ばれることをおすすめします!!
こちらもご参考まで。
ジャズ講座1、「ジャズ演奏ステップアップの為の参考文」
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