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ジャズドラマー木下恒治のBlog

ジャズ講座1、「ジャズ演奏ステップアップの為の参考文」

ちょっと前に、何人かのピアノの方にリズムのとらえ方やジャズの概念を説明した文章を公開します。
参考になるところがありましたらご利用下さい。
かいつまんで説明していますので、説明が不足しているところもあるかと思いますが、質問して頂いても構いません。
また、何か気が付いたことやご意見などがありましたら、ぜひお聞かせ下さい♪

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レッスン資料

○姿勢と動きについて
良い姿勢が必ずしも良いプレイを生むとは限らない。
骨盤は重心移動の要だからニュートラルな位置に置く。
ニュートラルな位置とは骨盤が前後に動く余地を残した位置。
骨盤をロックしない。
背中を反らしロックしてしまうと呼吸がし難く背中に緊張が走る。
楽に呼吸出来るかが目安となる。
肘から先だけの動きだけでなく、肩も自由に動かせることが大切。
脱力・リラックスを心がけ、不自然な動きや無理な力の入れ方をしない。
上半身が揺れるくらい自由度を保つ。
前後左右・上下に重心移動が出来る体制。
色々な状況下に瞬時に反応出来為に自由に動ける体制をとる。
下半身はどっしり構え、上半身はユルユル(リラックス)。
(下半身に力を入れると上半身が脱力するという意見もある)

○ 表現ついて
フレージングはアーティキレーションや抑揚を大切にする。
(平坦にならないように)
アーティキレーションについては管楽器奏者の演奏を参考にする。
音というエネルギーの動きを意識して演奏する。
(昇降感・立体感・遠近感・音の重さ)
フレージングはブレス(切れ目)を意識する。
(フレーズの切れ目があるからメリハリが付く。聴いている人がイェイ!と言うのもこの切れ目。)
また、間や休符を十分生かすことも大切。引き続ければ良いと言うことではない。
フレージングを明瞭に。
一つ一つのフレージングが明瞭であることが重要。
沢山のフレージングを立て続けて弾く必要はない。むしろ、フレージングの数か少なくても一つ一つのフレージングが意味性があり歌っていることが大切。
一つ一つのフレージングに心を込めて。
歌を歌うように弾く。
(声楽家は歌う時全身を使って歌う。実は演奏者も同じ。)
上記に関連して…
実際に歌いながら弾くことも有効。
また、自分の頭のイメージと実際の出し音を合致させることが大切(手癖で弾かない)
スベらないように弾く。
あるべき音の位置に音があれば説得力が増す。
(自分の狙った位置で発音出来ることが大切。まずは正確なサブディビジョンの位置をとらえる。わざと溜めたりレイドバックしたりも有効)
ドラマーやベーシストがいなくてもスウィングすることが大切。
(その為には、きちんと自分自身でパルスのキーブ・タイムキープをキッチリ行う。他のメンバーに頼らず、自分が弾く音符のリズムだけでもスウィングするように。)
縦ノリからの脱却。
拍の頭は誰にでも意識出来る。
肝心なことは、拍の頭以外の裏拍やその他拍の頭以外の音符がキチンと表現されていること。
縦ノリからの脱却は自然とスウィングすることに繋がる。
以上、これらの表現力アップの説明は、一言でいうなら演奏の「説得力」アップする為。
いかに歌うか(聴衆の心に響くか、心が動かせる)かが最も大事

○ アドリブと全体的な流れ
アドリブはコースティングを意識する。
【コースティング】
ジャズの演奏には『コースティング(自然な成り行き)』という概念があります。ソロイストはまだ盛り上がっていないのに、ドラマーだけやたら盛り上がっているシーンを時折みかけますが、ソロイストの盛り上がりやテンションの上下に自然に反応し寄り添うのが上手なバッキングです。
盛り上がりの波を意識する。
徐々に盛り上がるだけでなく、小波が沢山押し寄せる等もある。
一瞬一瞬の輝きが曲全体の輝きに繋がる。
「どの瞬間もスウィングしていなければならない」という言葉もある。

○その他(過去のつぶやきから)
【裏拍の感受性を高める】
イーブンな8分音符の裏拍○●
3連音符の三つ目○○●
16分音符の四つ目○○○●
6連音符の○○○○○●
★ 裏拍から表拍に戻る感覚が重要
★ メトロノームをこれらの裏拍に合わせてトレーニングするのも効果的
★ これらの裏拍の中間を感じられれば更に深い世界

【全部の拍が重要】
ジャズはアフタービートの音楽だからと2・4拍だけを重視していませんか? 確かに2・4拍はアクセントが付くことが多いので重要ですが、1を感じられるから2に行ける訳です。同様に、3を感じられるから4に行けるんです。つまり1・2・3・4全部の拍が重要と言うことです。

【全部の拍が重要~続編】
前のつぶやきに関連して・・・ ボーカルの方も伴奏者にテンポを伝える時は2・4拍だけでなく、1・2・3・4、全部の拍を伝えましょうね。 2・4拍だけを伝えると半分のテンポと勘違いする危険性があります。 同様に1・3拍だけを伝えるのもNGです(ラテンなど)。

【2種類のタイムキープ】
リズムを良くするには、まずタイムキープが重要です。タイムキープの方法は大きく分けて2種類有ります。 一つは身体のどこかを常に動かしてタイムキープする。 もう一つは、身体を動かさずに頭(心の中で)キープする。 最初は出来るだけ身体を大きく動かして、身体で覚える方が身につきやすいでしょう。
座ってタイムキープする際の注意点ですが、つま先でキープするとリズムが乱れやすくなる場合があります。 つま先を床に付けたまま、カカトが上下するキープの方法がおすすめです。これは、足の付け根(股関節)まで動かしているので、つま先だけの時より、身体でリズムをしっかり感じやすいからです。

【タイムキープの応用編】
意外と気づかないですが、 盛り上がり=小=足の動きも小 盛り上がり=大=足の動も大 音楽の状況で自然と足の動きも変わります。 これを逆に利用し、絶対にはずせない時や強いグルーブ感を出したい時など、意図的に強力なタイムキープをして集中を高める方法があります。

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